まず、社員が辞める理由をきちんと把握することが大切
人材不足が叫ばれている今、多くの企業で社員を獲得しようと策を講じています。労働者にとっては選択肢が増え、転職しやすい状況ということになります。
終身雇用制度も崩壊しつつあるなかで、企業への忠誠心も薄れているのは多くの人が感じていることでしょう。人材の流動化が進むのは当然の結果ですが、辞めていくのが優秀な社員ばかりに偏っているというならば、危険信号です。
人材不足の職場では、膨大な仕事のしわ寄せは優秀な社員に集中してしまうことが往々にしてあります。できる人ほど職務遂行能力にたけているため、多くの仕事をほかの社員よりも早く、そして高い質で仕上げるでしょう。そうなると、本来ほかの社員に割り振るべき仕事も、優秀な社員にまわってくることになります。
それでも、正当に評価され、ねぎらいの言葉が常にあれば、まだがまんもできます。しかし実際には、仕事が集中するのが常態化し評価もされません。それどころか、本来の業務以上の仕事を背負わされたことで、ミスやトラブルの発生が増え、その対応にも追われるようになります。
残業続きで疲労困憊の自分をよそに、仕事のできない社員がのんびりランチを満喫していたり定時帰りをしたりしていれば、なぜ自分ばかりが…と憤るのは当然のことと言えるでしょう。
自分なりに効率化を図り生産性を上げようとしても、上司が聞く耳をもたず非効率なままでいることを強いれば不満も出ます。成果を上げている社員より、上司や管理職にこびへつらっている人間を昇格させる社風も問題です。優秀な社員にとっては、面白いはずがありません。
優秀な人ほど現状に満足せず、上を目指します。業務が多すぎる、他人に教えてばかりで学べない、研修など会社に成長機会がないという状況では、今の会社にいる意味を見いだせなくなります。キャリアやスキルの向上が望めないと判断された時点で、気持ちは次の企業に向いてしまうのです。
優秀な社員は会社にメリットをもたらす
「人は石垣、人は城、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」とは、「風林火山」の旗印で知られる戦国武将、武田信玄の言葉です。石垣や城、堀がいくら立派なものであっても、そこに人の力がなければ役に立たないということです。優秀で実力のある人物は、城に匹敵するほどの価値があると昔から認識されていました。
松下幸之助氏の言葉「企業は人なり」でも言及されているように、人材の大切さは現代でも何ら変わることはありません。企業が市場で生き残るために、重要な資源となるのは人です。きらびやかな社屋に最先端のビジネスモデルが用意されていても、やる気のない指示待ちの人間だけならば経営はうまくまわりません。
与えられた業務を愚直にこなす人間も必要ではありますが、それだけでは現状維持のまま。常に進化する社会の中では、ゆっくり下がるエレベーターで立ち止まっているようなものです。
それに対して、優秀な人材は向上心に富み、自分のスキルアップにどん欲です。組織の中で働くことで全体の生産性を高め業績を向上させるでしょう。優秀な社員が多いほど、企業に蓄積されるノウハウも積み重なっていきます。
優秀な社員の存在は周囲の社員の手本となり、生き生きと働く姿は全体の士気をも高めます。特に上司が尊敬できる存在ならば、下位の社員は感化されて、やる気も出るというものです。
優秀な社員が辞めずに長期的に働くことは、企業イメージにも良い影響を与えます。よい社員が辞めていく職場は、優秀な人材に見限られるような企業だと世の中からレッテルを張られてしまいます。そうなれば、ほかの社員からも退職者が出てきます。応募する人間からも、敬遠されてしまいます。
優秀な人材が認められ活躍している状況は、企業の未来を明るくします。採用や教育といった人的コストも不要となり、新しく社員が入ってきても体制が安定しているので教育もスムーズで人材の定着にもつながります。
優秀な社員を辞めさせないポイント
優秀な人材に長く働いてもらうには、いくつかのポイントがあります。
【適正な評価】
本人の仕事について目標を達成していても、それ以外に割り振られる仕事や、同僚、上司のサポート、後輩の指導についてはやって当たり前とばかりに思っていないでしょうか?
増えた仕事は本来ならばやらなくてもよいもの。働きを評価されなければ、骨折り損です。組織は常に、正しい評価を行うことが求められます。
【発言権をもたせる】
若いからというだけで、優秀な社員の提案を頭ごなしに否定していないでしょうか?
表面的な部分から言っているのではなく、物事の本質を捉え俯瞰的に検討して意見を述べているのではないはないでしょうか?
提案を受け入れる側にそれなりの度量がないと、的確な判断が下せません。上司にも優秀な人物が求められます。
【コミュニケーションを増やし不満を聞き取る】
コミュニケーションをとり、円滑な人間関係を築けていれば社員が不満に思っていることを聞き出しやすくなります。不平、不満が爆発する前に聞き出せれば、まだ打つ手があります。より良い関係をつくるためには、日々わずかな時間でもコミュニケーションをとることが大切です。
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HUGRES 内田ひとみ
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